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オーシャンズ軽貨物配送blog

宅配一本は地獄行き──業界18年のリアルだからこそわかる軽貨物経営の罠

「この業界で個人1年、法人17年やってきたリアルだからこそわかる。」
軽貨物業界は甘くない…なんて話はよく聞きますが、今回はその“甘くなさ”の中でも、特に危険な「宅配依存」の実態を、笑いと涙を交えてぶっちゃけます。
これから軽貨物会社を立ち上げる方、宅配しかない状態から抜け出したい方、ぜひ最後までお読みください。


組合の甘い話は“毒まんじゅう”

「組合に入れば案件を回す」──確かに回してくれますよ。ええ、宅配ばっかりを
しかもロイヤリティ、管理費、名義使用料…聞いたこともない名前で、売上からごっそり差し引かれます。

個人1年目のとき、組合経由で月商80万円。
でも手元に残ったのは5万円ちょっと。必死に走っても、バケツの底に穴が空いているようなものでした。
「稼いでる風」だけが残り、気づけば疲弊していました。


宅配一本だと“人が集まらない”地獄

宅配は体力的負担が大きく、長時間稼働が当たり前。
求人広告を出しても「宅配はやりたくない」という声がほとんどで、応募ゼロなんて普通にあります。
広告費だけがスーッと消えていく、悪夢のような数カ月。

さらに一次受けの会社は「広告費なんて出さない」とドライバー集めを下請けに丸投げ。
下請けは下請けで動かず、結果、人材ゼロ。
これで案件を受け続ければ、待っているのは広告費倒れの赤字決算です。


それでも今の時代は…と思ったら

「いやいや、今はマッチングサイトもあるし、昔のような体育会系体質はないでしょ?
コンプライアンスも昔と違うはず。」──そう思いますよね?

甘い、甘い。黒糖まんじゅうより甘い。
私もそう信じていたクチですが、現実はその斜め上をいきます。


大手マッチングサイト担当の“謎のお願い”

ある日、大手マッチングサイトの担当者から「ちょっとお願いが…」と呼び出されました。
仕事の追加依頼かと思ったら、出てきたのはまさかのリクエスト集。

  • ブランドバッグ「これ奥さんへの誕生日なんで」
  • 高級ウイスキー「この前の接待で好評だったんでまた」
  • 旅行券「家族でハワイ行きたいんですよね」
  • キャバクラ「今度一緒に行きましょうよ」
  • そして極めつけ、「風俗もいけます?」

もはや物流業界の話なのか、別業界の裏取引の話なのか、途中で自分の職業を確認しました。


値下げ交渉からの“菓子折り投げ”

「さすがに大手運送会社はしっかりしてるでしょ?」──これも幻想。
値下げのお願いに来た相手から、菓子折り箱ごと投げつけられる事件が発生。
その直前まで「お互い助け合ってやっていきましょう」と笑顔だったのに、この豹変ぶり。
その場にいた全員がフリーズし、「これが物流現場の挨拶なのか…?」と錯覚しました。

参考記事はこちらをクリックしてください


トップは「家族」論、現場は“鎖付き”

面白いのは、一番上のトップは本当に良いことを言うんです。
「うちは家族だ。共に未来を築こう」なんてスピーチは社内報に載れば泣けるレベル。

でも、その部下たちが現場でやっていることは完全に鎖付き労働
荷物を運んでいるのか、鎖を引きずられているのかわからない扱い。
「家族」という言葉が“従順な労働力”という意味に置き換わっている瞬間です。


荷主様・国はこの現状をご存じですか?

大手運送会社や大手マッチングサイトに仕事を出している荷主様、そしてこの構造を放置している国。
現場がどうなっているのか、本当に理解しているのでしょうか?

依頼された案件が、中抜きと無茶な条件の末に現場へ流れ、疲弊の連鎖を生み出しています。
最後に困るのは、現場だけでなく、依頼した側であることを忘れないでいただきたい。


こんなこと暴露して大丈夫か?

正直、ここまで書くと「おいおい、本当に大丈夫か?」と心配されるレベルです。
業界の裏の裏まで書いていますから、怒られる可能性だってあります。

でも、私は知っています。
私の親戚には桜田門にお勤めの方が多いんです。
(※警察官の親戚が多いという意味です、念のため。)

なので、もし何かあっても…たぶん呼び出されるのは私じゃなくて、向こうの方。
そう思うと、不思議と安心してキーボードが叩けるんですよね。


利益率7.5%で起こる税金地獄(中間納税パターン)

宅配案件だけで回すと、利益率は7.5%前後。
売上が増えると法人税は赤字でも、消費税は赤字でも必ず請求されます。
そして年間消費税48万円超で「中間納税」が待っています。

  • 48万円超~400万円以下 → 年1回、中間納付(前年税額の1/2)
  • 400万円超~4,800万円以下 → 年3回、中間納付(前年税額の1/4ずつ)

これを考慮せずにキャッシュを使い切れば、あっという間に資金ショート。
「売上上がったのに、納税で潰れる」という笑えない話は本当にあります。


軽バンリースと前借りループの罠

新規法人が何十台もリース審査通るわけがなく、組合経由の高額リースに頼ることになります。
で、ドライバーが事故を起こして直さずにバックレれば、修理費は全額自腹。

さらに「前借り希望」のドライバーが多く、払っても払っても翌月の請求額が減らない。
この“前借りループ”で、資金繰りは一瞬で真っ赤に染まります。


ネットスーパーも罠だった

「宅配はキツいけど、ネットスーパーなら…」と始めた会社もあります。
しかし結果は、中抜きがひどすぎてタイパ最悪。
真夏に団地5階まで水ケースを何往復も運ぶ──この売上で倒れるのは時間の問題です。


生き残るには“宅配以外の柱”を

18年の経験から断言します。
宅配だけに頼る会社は、遅かれ早かれ行き詰まります。
救いは直契約の確保企業専属便の構築しかありません。

  • 単価も条件も自社でコントロールできる
  • 拘束時間や稼働条件が安定
  • 人材の定着率も向上

これが、宅配依存の地獄から抜け出す唯一の道です。


もしあなたの会社が今まさに宅配依存なら、今日が方向転換の日です。
半年後に「もうやめようかな」と頭を抱えるのか、
1年後に「宅配ゼロでも安定してる」と笑えるのか──すべては今の選択次第です。